赤い蝋燭と人魚/全身
小川未明さんが書かれた童話です。
彼女は人魚の母親。
味気ない海の生活に希望を失った彼女は
自分の娘を憧れていた人間社会に託します。
娘はある老夫婦に大切に育てられましたが、足のない姿を人目にさらすことを嫌い
家に引きこもり蝋燭作りの店を手伝います。
娘が絵を入れた蝋燭はそれを灯して神社にお参りすると
航海の安全の御利益があると評判になります。
しかし、人魚の娘にとって、有名になることは不幸の始まりでした。
ある日噂を聞きつけた見せ物小屋の興行主が
老夫婦に娘を売ってくれともちかけます。
自分の本当の子ではなくとも大事に育てた娘を手放し
ましてや見せ物として売り飛ばす等出来ないと
断り続けた老夫婦でしたが、とうとうお金の魅力に負けてしまいます。
それを知った娘は連れて行かれる寸前まで蝋燭に絵付けをし続けていたのですが、
とうとうその日はやって来ます。
娘は絵を入れるいとまもなくただ真っ赤に塗り潰すことが精一杯でした。
ある晩老夫婦の店に若い女性が蝋燭を買いにやって来ました。
店に残っていたのは真っ赤に塗られた蝋燭だけです。
それを全部買って帰ったその女性はあの人魚の母親でした。
それから、崖の上の神社に赤い蝋燭が灯り、海は荒れ、
人魚を乗せた船は転覆しました。
それだけではありません。それ以来何度も神社に赤い蝋燭は灯り
海は荒れ、何人もの人間が命を落とすことになったのです。
老夫婦の店は誰も客が来なくなり、とうとう潰れてしまいます。
童話と言えるかしら、と思えるほど『怨念』の凄まじさを感じさせる
僕の大好きな童話です。
童話とは言えない、と戦後評価を落とした未明の童話は
その価値を再評価されています。
彼女は人魚の母親。
味気ない海の生活に希望を失った彼女は
自分の娘を憧れていた人間社会に託します。
娘はある老夫婦に大切に育てられましたが、足のない姿を人目にさらすことを嫌い
家に引きこもり蝋燭作りの店を手伝います。
娘が絵を入れた蝋燭はそれを灯して神社にお参りすると
航海の安全の御利益があると評判になります。
しかし、人魚の娘にとって、有名になることは不幸の始まりでした。
ある日噂を聞きつけた見せ物小屋の興行主が
老夫婦に娘を売ってくれともちかけます。
自分の本当の子ではなくとも大事に育てた娘を手放し
ましてや見せ物として売り飛ばす等出来ないと
断り続けた老夫婦でしたが、とうとうお金の魅力に負けてしまいます。
それを知った娘は連れて行かれる寸前まで蝋燭に絵付けをし続けていたのですが、
とうとうその日はやって来ます。
娘は絵を入れるいとまもなくただ真っ赤に塗り潰すことが精一杯でした。
ある晩老夫婦の店に若い女性が蝋燭を買いにやって来ました。
店に残っていたのは真っ赤に塗られた蝋燭だけです。
それを全部買って帰ったその女性はあの人魚の母親でした。
それから、崖の上の神社に赤い蝋燭が灯り、海は荒れ、
人魚を乗せた船は転覆しました。
それだけではありません。それ以来何度も神社に赤い蝋燭は灯り
海は荒れ、何人もの人間が命を落とすことになったのです。
老夫婦の店は誰も客が来なくなり、とうとう潰れてしまいます。
童話と言えるかしら、と思えるほど『怨念』の凄まじさを感じさせる
僕の大好きな童話です。
童話とは言えない、と戦後評価を落とした未明の童話は
その価値を再評価されています。