マーゴウさんの肖像
もし、何にも対象がなかったら、
絵を描いても、それが良い絵かどうか、などという
自分への審判ばかり気になるのです。
でも、そんなことはどっちでもいい。
素晴らしいモデルがあれば、それをよく描けようが、描けまいが
描く悦びがあるのです。
描き上がった絵が愛おしくなるのです。
どう描くかなんて、本当にどっちでもいい。
自分なんか、ほんとうにどっちでもいい。
描かれているもの。それが、僕の愛の対象です。
本当に一生懸命になれるのです。
描きたくてたまらなくなるモデル、
我を忘れさせてくれるモデルと出会えたら。
それでこの絶望的な男も時に救われるのです。
この写真と出会ってこの絵を描きました。