contrast

家は南向きやけどすぐ前に家が立ってるから

あんまり日差しが強いことはない。

朝、灯りも点けずに部屋に入ると

ぼ～んやりとしている。

コントラストがないなぁ・・・・。




でも、ふと思い出した。

アフリカへ陶芸を学びに留学していた彫刻家でもある友人が

真昼にサハラ砂漠を歩いた時

全く陰影のない砂漠では

地面との距離感も掴めず

自分が踏み出す足が何処を向いているのかさえ

解らなくなった、という。

感激したと。



そうか。

コントラストがない、とはそういうことか。

オンブラマイフの樹下も

きっとそうに違いない。



コントラストがなく

空間が把握出来ないことが

時にいらいらさせるのは、

それがただただ無彩色であったり、光不足であったりの時の事で、

実はとても異空間的体験で

夢の中のようであったり

浮遊しているようであったり。



コントラストがないと絵にならない、なんて思っていたけれど

嗚呼、そういうことか。



コントラストのない

サハラ砂漠のような

オンブラマイフのような

異空間を絵に描けたらなぁ。



僕の大好きな深ーい深い穴を彫ったみたいな

スポットライトを浴びたみたいな

僕が一番ほっっこりする

コントラストの強い世界を

調和させられたらなぁ。


ううん、不調和でもいい。

不協和音でもいい。



両方とも描きたくなった。

うん、そんだけ。

そんだけのこと。