Leo-観世音菩薩

妻の実家にいた

レオちゃんは、可愛がられすぎて

糖尿病になった。

そして失明した。



レオちゃんは、最後まで可愛かった。

目が見えていたことを忘れて

目が見えなくなったことにも気付かず。



いつも通り

前に進んだ。

壁にゴッチンしたり

ストーブであちあちしたり。

全然気にしていなかった。



動物霊園での葬儀の時

棺桶の中に横たわるレオちゃんの顔は

いつも通り夢を見ながら

眠っているみたいに

穏やかだった。



こんな風に生きるなんて

僕には絶対無理だろうと思う。

けど、レオちゃんは僕の理想。

僕のお手本。

僕の観世音菩薩様。

僕を許してくれた。





交通事故で片目を失い

顎を砕き

ずっと鼻水を垂らしていた

チャムちゃんもそうだったなぁ。

安楽死をすすめる獣医の言葉に

『お水を欲しがってるんです。』

『お水を飲めるようにしてあげて下さい』

妻の一言で一命を取り留めた

チャムちゃんも

そうだったなぁ。




レオちゃんや

チャムちゃんのように

生きたい。

そしたら

僕でも

幸せになれそうな気がする。